更新: 2008.12.12
物理化学 IIIB(分光・構造)(後期) 担当  松本吉泰
講義内容
 物理化学の中心的テーマである,構造・物性・反応のうち,本講義では分子の構造とダイナミックスを体系的に理解するための基礎と,これを明らかにするための様々な分光学の原理と実験手法を概説する。このためには,電磁波(光)と物質との相互作用を理解した上で,さまざまな分子の定常状態間の遷移に基づくスペクトルと分子の構造との関係を吟味する。また,光によって励起された分子が行う運動を分光学的にどのようにとらえるかという動的な側面についても講述を行う。

具体的には,以下の項目を取り上げる。

1.序論
2.古典力学と量子力学
3.光の性質
4.光と物質との相互作用
5.分子の対称性
6.分子のエネルギー構造とスペクトル
7.核磁気共鳴
8.レーザーとレーザー分光
9.光化学とダイナミックス

本講義では,量子力学の基礎,電磁気学,及び基礎的数学は既習であることが望ましいが,これらについては授業と演習によっても適宜補う。また,物理化学I(量子力学),化学数学,量子化学I,II,またはそれに準じる教科を履修していることが望ましい。
成績評価の方法
授業ごとに課す課題のレポートと定期試験による。
教科書
参考書
D. A. McQuarrie and J. D. Simon [MS], Physical Chemistry, University Science Books 1997.
P.W. アトキンス 物理化学 東京化学同人 第6版(千原秀昭,中村亘男).
P. W. Atkins and R. S. Friedman, Molecular Quantum Mechanics, Third edition, Oxford University Press 1997.
E. Hecht, “Optics”, 4th ed., Addison Wesley (2002)
M. Born and E. Wolf, 光学の原理 (東海大学出版会)