更新:2008.10.06
生物化学IB 担当 三木邦夫
講義内容
 生物がその生命を維持するのに必要 な生体内の化学反応について,その基本的なメカニズムを理解することを目的 とする.生体内エネルギーの生産,タンパク質の構造とタンパク質がつかさど る化学反応のしくみをわかりやすく解説する.
 細胞内ではたらく生体 (高)分子について,それらの構造をもとにして理解することを目的とする. 生体内化学反応のほとんどをつかさどるタンパク質は,ある一定の立体構造を 保つことでその機能が発現される.その構造を知ることは,どのように機能を 発現させるかを知る上の基本的事項である.まず,生体高分子を形成するアミ ノ酸,ペプチド,糖,塩基,ヌクレオチドなどの基本的単位の構造・性質を学 び,さらに複雑なタンパク質やその複合体,あるいは核酸の構造の基本的なし くみを理解する.それぞれのタンパク質に固有の機能が,形成された立体構造 からどのように生み出されるのかということを学ぶ.
講義予定
第1回 生体内で働く分子の基礎知識:生体内で働く分子と化学結合
第2回 生体内で働く小分子と巨大分子:糖,脂質など
第3回 核酸の構成成分と構造
第4回 タンパク質の構造と機能(その1)
    タンパク質のさまざまな働き
第5回 タンパク質の構造と機能(その2)
    タンパク質が折れたたむしくみ
第6回 タンパク質の構造と機能(その3)
    タンパク質の階層構造(1):構造の基本単位
第7回 タンパク質の構造と機能(その4)
    タンパク質の階層構造(2):タンパク質のかたち
第8回 タンパク質の構造と機能(その5)
    タンパク質の働くしくみ(1):触媒としての働き
第9回 タンパク質の構造と機能(その6)
    タンパク質の働くしくみ(2):タンパク質の分子認識,免疫など
第10回 タンパク質の構造と機能(その7)
     タンパク質の働くしくみ(3):タンパク質の調節機構,協同性など
第11回 生化学的研究法:細胞,生体高分子の単離,精製法
第12回 生体高分子の構造(構造生物学)についての話題
成績評価の方法
期末の試験による.授業中に小テスト を行い,評価に組み入れることもある.
教科書
Bruce Alberts ほか著(中村桂子・松 原謙一/監訳)
「Essential 細胞生物学(原書第2版)」(Essential Cell Biology, Second Edition)
(ISBN):ISBN4-524-23927-8,出版社: 南江堂
参考書
Bruce Alberts ほか著(中村桂子・松 原謙一/監訳)
「細胞の分子生物学(第4版)」(The Molecular Biology of the Cell, Fourth Edition)
(ISBN):ISBN4-315-51730-5, 出版社:Newton Press