更新: 2008.4.25
化学統計力学 担当  谷村吉隆
講義内容
化学現象は多数の原子,電子,分子が介在する多体効果が本質的に重要である。こ のような多体系が持つ統計性を利用し,現象を解析する学問分野が統計力学であり, そこから派生される多様な状態マクロ的に扱うのが熱力学である。本講では化学現象 や生物現象を解析するという実践的な立場から統計力学の理念を説き,そこから派生 されるエントロピーや化学ポテンシャルなどの概念を説明する。統計力学には量子効 果が本質的にかかわっており,量子力学とのかかわりを説き,さらには揺動散逸理論 など非平衡系の統計力学へと議論を発展させる。
講義予定
I. 統計熱力学の基礎
II. 調和振動子系と二準位系のミクロカノニカル分布
III. 分配関数と自由エネルギー
IV. 古典系と量子系の分配関数と熱力学量
V. グランドカノニカル分布:ボーズ分布とフェルミ分布
VI. 解析力学と量子力学(ブラケット表示)の復習
VII. 線形応答理論
VIII. ブラウン運動とランジュバン方程式
成績評価の方法
期末試験、レポート(数回)、出席の総合評価
教科書
参考書
統計力学」久保亮五著(共立出版)
「統計力学」 小田垣孝(裳華房)
大学演習「熱学・統計力学」 久保亮五編(裳華房)
「生化学の物理的基礎」、ピーター・ベルゲソン著(シュプリンガーフェルラーグ)