Dr., Hiroshi Okuyama

研究ハイライト
水−水酸基複合体における対称水素
結合の観測

Cu(110)表面上に水分子−水酸基の複合体
を作成し、その水素結合についてSTM像、第一原理計算により考察し、共有された水素原子が対称位置に存在することを提案した。
Phys. Rev. B 81, 045402 (2010).


孤立水酸基のフリップ運動と2量体形成
Cu(110)表面上に吸着した水分子をSTMにより解離し、孤立水酸基(OH)を作成した。OHはその軸を表面[001]方向に傾けて吸着し、トンネル反応によってフリップすることが明らかとなった。また(OH)2の作成も行い、その構造を求めた。
Phys. Rev. B 79, 035423 (2009).

 
水分子2量体における水素結合交換の直接観測
Cu(110)上に水分子2量体を作成し、そのダイナミクスをSTMで直接観測した。2量体は水素結合のドナーとアクセプタ分子から成り、その水素結合を組み替える様子が観測された。その速度は大きな同位体効果を示し、トンネル効果の寄与を示唆している。またSTMによる交換反応の促進も見出された。
Phys. Rev. Lett. 100, 166101 (2008).