生物構造化学研究室

生物構造化学研究室では「真核細胞の高次生命機能を原子の解像度で理解する」研究を行なっています。細胞機能に重要な生体分子の複合体形成や反応の構造基盤を一つ一つ明らかにして理解することを通じて、細胞や個体の振舞いを支配する仕組みを知り、さらに、それを操作して病態の改善に役立てることを目指します。

生体高分子の作動機構を原子の解像度で理解する。

 タンパク質や核酸などの生体高分子は一定の立体構造に折畳まれて機能します。したがって、生体高分子が働くメカニズムを解明するためには立体構造決定が不可欠です。私たちは、X線結晶構造解析やクライオ電子顕微鏡、X線小角散乱などの立体構造解析法を駆使して、生体内で重要な役割を担うタンパク質の機能メカニズムを理解し、さらに、立体構造情報に基づいて設計したタンパク質変異体を用いて、溶液中での機能を解析するだけではなく、タンパク質の機能が細胞や個体に与える影響を調べることを通じて、タンパク質機能の化学的理解を医学・生物学的な理解へと繋げます。神経機能などの高次の生命機能を担う細胞内外の分子シグナリングや酵素反応、化学的に精密な理解を要する生体内エネルギー変換や電子伝達などを対象とした研究を行います。