ようこそ、分子分光学研究室へ

 環境問題やエネルギー問題が私達の生活をおびやかす重大な問題であることが地球温暖化や東日本大震災をきっかけにより鮮明なかたちで顕在化してきました。
 このような問題に対して人類は従来から物質と物質が接する表面・界面での化学反応を利用してきましたし、今後もこれらの問題を克服するために表面・界面での化学反応利用が重要な役割を果すと考えられます。
 例えば、触媒というものを考えてみましょう。触媒は反応前後で自分自身は変化しませんが、反応に関与することによりその反応速度を飛躍的に促進させるため、化学反応を進行させるためのエネルギーコストを飛躍的に下げることができます。これが多くの化学工業において触媒が利用されている理由です。また、触媒は自動車の排気ガスの浄化などの環境汚染の防止にも不可欠です。そして、これらの触媒がかかわる化学反応はすべて触媒とそれをとりまく物質との界面で進行するのです。
 表面・界面での反応は、人類にとって今後ますます重要となっていくエネルギー変換過程においてもたいへん重要な位置をしめています。例えば、燃料電池では電極表面での化学反応により発電します。また、可視光によって水を水素と酸素に分解する、いわゆる人工光合成は環境にもっとも優しい究極の自然エネルギー利用の形態ですが、ここでも光で物質内に生成された電子と正孔が触媒と水との界面で酸化・還元反応を起す必要があります。このように、物質の界面での電荷移動や原子の組み換えである化学反応が、人類が直面するエネルギーや環境問題を解決する上で中心的な役割を果していることがよくわかります。
 このようなエネルギーと物質との間の効率のよい変換過程を利用する技術の開発が強く望まれていますが、これを現実のものとするためには、ここでとりあげたエネルギー変換や触媒反応がどのようにして物質界面にて進行するのか、反応を阻害する要因は何かなど、反応の機構を理解することが必要です。しかし、残念なことに界面での反応機構の詳細はいまだに解明されている部分が少ないのが現状です。したがって、 表面・界面で繰り広げられる過程が主役である燃料電池や可視光水分解などは、理学の立場からみてもたいへん面白い問題を内包した宝の宝庫といえます。ここからいかに新しいサイエンスの芽を見いだし、育てられるか、これが私達の研究グループが常日頃から考えていることです。
 そこで、私達はこのように学術的にも応用面でもたいへん重要な物質の表面・界面を主舞台とする過程、その中でも特に物質表面・界面における(1)電子や正孔といった電荷の動き、すなわち電荷移動や電荷輸送と、(2) 表面・界面に存在する分子内の原子核の運動とその結果として生ずる化学反応、について様々な分光学的手法を用いて教育・研究活動を行っています。

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2017.09.05
大槻友志君らの論文がPhysical Review B 誌に掲載されました。:Y. Otsuki, T. Sugimoto,I. Ishiyama, A. Morita, A.K. Watanabe, and Y. Matsumoto,"Unveiling subsurface hydrogen-bond structure of hexagonal water ice", Phys. Rev. B, 2017, 96, 115405.
2017.05.30
宮田潔志君らの論文がNature Chemistry誌に掲載されました。:K. Miyata, Y. Kurashige, K. Watanabe, T. Sugimoto, S. Takahashi, S. Tanaka, J. Takeya, T. Yanai, and Y. Matsumoto, "Coherent singlet fission activated by symmetry breaking", Nature Chemistry, 2017
2016.10.27
井上賢一君らの論文がPhys. Rev. Lett.誌にに掲載されました。:K.-I. Inoue, K. Watanabe, T. Sugimoto, Y. Matsumoto, and T. Yasuike, "Disentangling Multidimensional Nonequilibrium Dynamics of Adsorbates: CO Desorption from Cu(100)", Phys. Rev. Lett., 117, 186101 (2016). また、この論文はNEWS AND COMMENTARYの、Viewpoint: The Calisthenics of Surface Femtochemistryとして選ばれました。
2016.07.26
杉本敏樹助教らの論文がNature Physicsに掲載されました。:T. Sugimoto, N. Aiga, Y. Otsuki, K. Watanabe and Y. Matsumoto、"Emergent high-Tc ferroelectric ordering of strongly correlated and frustrated protons in a heteroepitaxial ice film"(doi:10.1038/nphys3820). また、この論文はその号のNews and Views にもとりあげられました。
2016.06.13
大槻友志君が第7回SFG研究会にて優秀ポスター賞を受賞しました。
2016.05.18
田中駿介君が今春の化学会年会で発表した「グラフェン/アルカリ原子/Ir(111)表面におけるプラズモン励起ダイナミクス」の口頭講演で第96春季年会 学生講演賞を受賞しました。
2016.04.07
田中君駿介君らの論文がJ. Phys. Chem. C にASAP paperとして掲載されました。:S. Tanaka, K. Miyata, T. Sugimoto, K. Watanabe, T. Uemura, J. Takeya and Y. Matsumoto, "Enhancement of the Exciton Coherence Size in Organic Semiconductor by Alkyl Chain Substitution"(DOI: 10.1021/acs.jpcc.5b12686).
2016.02.18
原田国明君がKKN Symposium for Young Scientists 2016にて発表した"Size effect on crystallization in amorphous solid water films on Pt(111)"でポスター賞を受賞しました。
2016.02.12
加藤史明君が真空・表面科学合同学術講演会で発表した脱離の同位体効果についてのポスター発表で講演奨励賞(スチューデント部門)を受賞しました。
2016.01.27
白井健次君らの論文がNano LettersにASAP paperとして掲載されました。:K. Shirai, T. Sugimoto, K. Watanabe, M. Haruta, H. Kurata and Y. Matsumoto, "Effect of Water Adsorption on Carrier Trapping Dynamics at the Surface of Anatase TiO2 Nanoparticles"(DOI: 10.1021/acs.nanolett.5b04724).
2015.05.08
宮田潔志君らの論文がPhys. Rev. Bに掲載されました。:Miyata, K.; Tanaka, S.; Ishino, Y.; Watanabe, K.; Uemura, T.; Takeya, J.; Sugimoto, T. & Matsumoto, Y. Microscopic hole-transfer efficiency in organic thin-film transistors studied with charge-modulation spectroscopy Phys. Rev. B, 2015, 91, 195306.
2015.04.01
新4回生の青田 龍洋君、小林 柚子さん、高桑 弘明君、武田 惇弘君、丸岡 充明が、また山田 一斗君が博士後期課程の1年生として研究室の新たなメンバーとなりました。
2014.10.29
原田国明君が分子科学討論会優秀ポスター賞を受章しました。
2014.07.14
稲田なつみさんらの論文がNanotechnologyに掲載されました。:N. Inada, H. Asakawa, Y. Matsumoto and T. Fukuma, Molecular-scale surface structures of oligo(ethylene glycol)-terminated self-assembled monolayers investigated by frequency modulation atomic force microscopy in aqueous solution, Nanotechnology, 2014, 25, 305602.
2014.05.12
薮田光教君らの論文がJ. Phys. Chem. Cに掲載されました。:M. Yabuta, T. Takayama, K. Shirai, K. Watanabe, A. Kudo, T. Sugimoto, and Y. Matsumoto, "Effects of Cocatalyst on Carrier Dynamics of a Titanate Photocatalyst with Layered Perovskite Structure", J. Phys. Chem. C, 2014. DOI: 10.1021/jp502775y
2014.05.01
相賀則宏君が、今春の日本化学会年会での講演に関して学生講演賞を獲得しました。
2014.03.17
石野雄太君らの論文がPhys. Chem. Chem. Phys.に掲載されました。:Y. Ishino, K. Miyata, T. Sugimoto, K. Watanabe, Y. Matsumoto, T. Uemura, J. Takeya, Ultrafast exciton dynamics in dinaphtho[2,3-b:2[prime]3[prime]-f]thieno[3,2-b]-thiophene thin films, Phys. Chem. Chem. Phys., (2014).
2014.02.12
杉本敏樹助教が、第33回表面科学学術講演会での講演に関して講演奨励賞を獲得しました。
2013.12.07
白井健次君が「表面・界面スペクトロスコピー」研究会にて講演し、学生賞を獲得しました。
2013.05.13
宮田潔志君の論文がJapanese Journal of Applied Physics に掲載されました。: K. Miyata, Y. Ishino, K. Watanabe, K. Miwa, T. Uemura, J. Takeya, and Y. Matsumoto, "Retrieval of Electronic Spectra of Charge Carriers in Organic Field-Effect Transistors from Charge Modulation Reflectance Spectra Distorted by Optical Interference", Jpn. J. Appl. Phys., 52, 062401 (2013).
2013.05.07
今春、学位を得た井上賢一君が日本化学会第93春の年会で行った講演「Cu(100)表面に吸着したCOの光刺激脱離・拡散の前駆状態」に対して学生講演賞が贈られました。
2013.04.17
相賀則宏君の論文がJ. Phys. Chem. C に掲載されました。:N. Aiga, Q. Jia, K. Watanabe, A. Kudo, T. Sugimoto, and Y. Matsumoto Electron-Phonon Coupling Dynamics at Oxygen Evolution Sites of Visible-Light-Driven Photocatalyst: Bismuth Vanadate J. Phys. Chem. C, The Journal of Physical Chemistry C, 117, 9881-9886 (2013).
2013.04.05
新MC1として足立裕之君、大槻友志君が、新B4として 奥山玄稀君、則岡慎平君、玉水公人君、中村晃佑君、原田国明が新たなメンバーとして加わりました。
2012.09.04
表面光化学関連の論文がJ. Chem. Phys. に掲載されました。: Y. Matsumoto, Toward photochemistry of integrated heterogeneous systems, J. Chem. Phys. 137, 091705 (2012).
2012.04.13
Review articleが掲載されました。: K. Watanabe and Y. Matsumoto Nuclear Wavepacket Dynamics of Alkali Adsorbates on Metal Surfaces Studied by Time-Resolved Second Harmonic Generation Physics Research International, 2012, 172987 (2012).
2012.04.01
新MC1として大関真生君、奥村直君、田中駿介君、稲田なつみさんが、新B4として 青木沙羅さん、石井愛乃さん、澤田一磨君が新たなメンバーとして加わりました。
2012.03.01
杉本敏樹助教が新たにメンバーに加わりました。
2012.02.01
今年度の物理化学IIIBの試験問題と解答をアップロードしました。
2011.11.11
研究概要の一部を更改しました。
2011.09.20
井上君(DC2)、宮田君(DC1)、相賀君(MC2)、石野君(MC1)が札幌での分子科学討論会にて研究成果の発表を行いました。
2011.07.31
研究室のメンバーで琵琶湖畔を訪れ、水泳やテニスをやってにて一日を過ごしました。
2011.05.05
Cs/Cu(111)におけるコヒーレントフォノンに関する論文がJ. Phys. Chem. A誌に掲載されました。K. Watanabe, Y. Matsumoto, T. Yasuike, and K. Nobusada, Adsorbate-Localized versus Substrate-Mediated Excitation Mechanisms for Generation of Coherent Cs–Cu Stretching Vibration at Cu(111), J. Phys. Chem. A, DOI:10.1021/jp112307k
2011.04.01
三戸麻衣(M1)さんが新メンバーとして加わりました。
2011.03.31
中井助教が退職しました。
2011.02.16
銅メッシュに吸着した分子の異常赤外吸収に関する論文がPhys. Chem. Chem. Phys.誌に掲載されました。J. Etou, et al., Mechanism of enhancement in absorbance of vibrational bands of adsorbates at a metal mesh with subwavelength hole arrays, Phys. Chem. Chem. Phys. DOI: 10.1039/C0CP01627F
2010.12.24
物理化学IIIBの演習5.2の解答をアップロードしました。
2010.12.17
物理化学IIIBの演習5.1の解答をアップロードしました。
2010.12.13
ハイキングの写真を「進学を希望する方へ」にアップロードしました。
2010.12.10
物理化学IIIBの演習4.6-4.7の解答をアップロードしました。
2010.11.29
井上賢一君(D1)が分子科学討論会において分子科学会優秀講演賞を受賞しました。講演題目は「時分割和周波振動分光によるCO/Pt(111)における光脱離ダイナミックスの解明」です。
2010.11.27
物理化学IIIBの演習4.3-4.5の解答をアップロードしました。
2010.11.27
関西薄膜・表面物理セミナーは80名余りの参加者を得て無事終了しました。
2010.11.24
関西薄膜・表面物理セミナーのプログラム・要旨をアップロードしました。
2010.11.22
物理化学IIIBの演習4.1-4.2の解答をアップロードしました。
2010.11.12
物理化学IIIBの演習3.4の解答をアップロードしました。
2010.11.05
物理化学IIIBの演習3.1-3.3の解答をアップロードしました。
2010.10.22
物理化学IIIBの演習2.5-2.6の解答をアップロードしました。
2010.10.15
物理化学IIIBの演習2.1-2.3の解答をアップロードしました。
2010.10.01
物理化学IIIBの第一回講義資料をアップロードしました。
2010.09.03
今年度の関西薄膜・表面物理セミナーの案内をアップロードしました。ご応募をお待ちしています。
2010.08.27
石野君,宮本君,三戸さんが大学院入試に合格し,来年度から修士課程1年として本研究室に配属される予定となりました。
2010.06.10
ヘテロダイン検出時間分解和周波発生分光によるPt(111)表面上のCOの振動ダイナミックスに関する論文がPhys.Rev.B にRapid Communicationとして掲載されました。
K. Watanabe, K.-i. Inoue, I. F. Nakai, and Y. Matsumoto, Phys. Rev. B, 2010, 81, 241408.
2010.05.30
昨年度終了した基盤研究SのWeb内容を更新しました。
2010.04.05
新メンバー:藪田君(D1),石野君(B4),宮本君(B4)がグループに加わりました。
2010.02.06
報告書などのテンプレートをアップロードしました。
2010.01.22
物理化学IIIB演習6.2の解答アップロード。
2010.01.08
物理化学IIIB演習5.5, 5.6, 6.1の解答アップロード。
2009.12.21
SFG顕微鏡によるPentacene OFETの論文がAppl. Phys. Lett.(17 December 2009 ) に掲載されました。
Nakai, I. F.; Tachioka, M.; Ugawa, A.; Ueda, T.; Watanabe, K. & Matsumoto, Y., Appl. Phys. Lett., 2009, 95, 243304.
2009.12.18
物理化学IIIB演習5.4の解答アップロード。
2009.12.11
物理化学IIIB演習5.1-5.3の解答アップロード。
2009.12.07
井上賢一君が,表面・界面スペクトロスコピーにて「ヘテロダイン検出和周波発生分光法を用いた高強度励起下のCO/Pt(111)における非断熱結合」について講演し,Student Awardを受賞しました。
2009.12.07
物理化学IIIB演習4.3, 4.4の解答アップロード。
2009.12.03
3回生の研究室訪問が12月9日,16日となりました。本研究室に興味がある学生諸君は当日午後6時に6号館352号室に集まってください。
2009.11.30
江藤淳二君が関西薄膜・表面物理セミナーにて「金属メッシュにおけるアルカンチオール単分子膜の赤外異常吸収」について発表。
2009.11.25
物理化学IIIB演習4.2解答アップロード。
2009.11.12
物理化学IIIB演習4.1解答アップロード。
2009.11.10
ホームページの更新,アップロード完了。
2009.08.06
ホームページ更新作業開始。
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