配属希望の皆さんへ

「4回生から研究室に配属されるらしいけど、研究室での生活ってどんな感じ?」と、少し不安を感じている人もいるのではないでしょうか。ここでは、無機物質化学研究室の学生がどのような生活を送っているのかについて紹介します。研究室選びの参考にしていただきたいと思います。

無機物質化学研究室の研究方針

 本研究室では、新しい多孔性無機物質(シリカ、金属酸化物、有機−無機ハイブリッド、有機高分子など)の合成と、その物性評価・応用について研究を行っています。ひとりひとりが独立した研究テーマを持ち、いち研究者であることを自覚して日々楽しく実験を行っています。研究手法の理念としては、研究テーマについて自ら深く理解することはもちろん、様々な測定手法を理解して使いこなすこと、得られたデータの解釈の仕方、そしてそれを他人に分かりやすく伝える(学会発表、論文執筆など)ことを重視しています。特に、自ら合成したものを、自らの手で測定し、発表するという一連の作業を通じて、基礎的な実験化学の手法を学び取ってもらいます。
 研究を行うに当たって、無機化学や物理化学の知識を有することが望ましいですが、そうでなくても、実験を行っていくうちに身に付けることも十分可能ですし、自然と身に付くものでもあります。実験化学は門戸の広い学問です。やる気のある学生の皆さん、ぜひ無機物質化学研究室に飛び込んできてください!

年間スケジュール

4月

お花見&新人顔合わせ
 まずはお花見にて先生や先輩たちとの顔合わせがあります。はじめは緊張しまくりの新人さん達も終わるころにはもう研究室の一員になっているはず!研究室では、各人の机とPCが割り当てられます。最近の学生は「PCの使い方」には慣れているでしょうが、これから研究していく上でデータ整理や発表準備など重要な作業を行うアイテムですので、しっかりと使いこなしましょう!(装置制御用のマシンなども自分でメンテナンスをすることが必要です。)
 例年GWまでの間には新入生研修が行われます。先輩達から研究内容説明、装置説明を受けます。先輩達の勉強にもなりますので、分からないことがあれば先輩たちに遠慮なく質問しましょう。

5月

研究テーマ決定!!
 4回生のテーマはGW明けに決まります。スタッフから提示された複数の研究テーマの中から自分の興味があるものを選択して決めます。それまでに実験している先輩たちに聞いたり自分で調べたりしながら、どういう研究がしたいのかじっくり考えましょう。テーマが決定したら少しずつ文献調査や実験を行って雰囲気を掴んでいきますが、院試までは試験勉強を中心に行っていきます。

6月

雑誌会
 4回生の皆さんも、例年6月頃に雑誌会での発表があります。自分のテーマに沿った内容の英語論文を読み、その内容を分析し、みんなの前で発表します。このようにすることで、自分の研究テーマの方針、国際的な位置づけなども確認できます。

7-8月

院試激励会→院試→院試お疲れ会
 しっかり勉強しましょう。研究室に来れば、やさしいスタッフたち、先輩たちがいろいろ教えてくれるはずです。過去問やその解答例もあります。院試は例年8月の下旬にあります。

9月

夏休み?!
 休みの取り方は自由ですので、院試の後はひと時の夏休みをとるのも良いでしょう。ただし、12月には中間発表があるので、遊びすぎないよう、なるべく早く実験を再開します。

10月〜

実験!
 4回生は9月中旬頃から本格的に実験を開始します。テーマによって、先輩たちが実験方法などをやさしく教えてくれます。

11月

花ちゃん会
 講座旅行です。花田先生(名誉教授)のお誕生日のお祝いをかねて催されます。OBの方たちが多数参加されますので、就職のアドバイスももらえます。

年末〜年始

中間発表会&忘年会
 12月中旬には、後期の研究成果をまとめて発表する中間発表会が催されます。実験結果の解釈、まとめ方、効果的なプレゼンの方法などを学びます。中間発表会後には忘年会!
大掃除、冬休み
 1年間お世話になった研究室をみんなできれいにしましょう。冬休みの取り方は自由ですが、3月には卒業研究発表会があるので、それに向けて対策を練っておきましょう。

1月

D論発表
 博士課程(D3)の先輩の発表会があります。

2月

修論発表
 修士課程(M2)の先輩たちの発表会があります。先輩たちの発表準備の様子、そして素晴らしい本番発表を見て刺激を受けてください!

3月

4回生卒業研究発表・期末発表→打ち上げ・追いコン
 3月には4回生の卒業研究発表会があります。1年間実験を行った成果を、最善の形で発表しましょう。発表会後は打ち上げ・追いコンがあります。

 研究生活の息抜きとして、スケジュールに書いていることのほかに数々のイベント(サッカー、バーベキュー、釣り、スノボー、お好み焼きを食べる会etc.)が催されています。これらの行事は学生の気分次第で突然行われるので、常にアンテナを張っておきましょう。

1日のスケジュール

 無機物質化学研究室では特に決まったスケジュールは存在しませんが、基本的には朝研究室に来て、夕方まで実験、勉学に励むことになります。

 また、毎週輪読会や雑誌会などの勉強会があります。先生や先輩からのアドバイスのもと、英語のテキストや文献をみんなで分担しながら読みます。輪読に使用するテキストは、「Physical Ceramics」(Yet-Ming Chiangほか、John Wiley & Sons, Inc.)です。また、学生同士で行う研究発表会もあります。

輪読

最後に・・・

 無機物質化学研究室では学生の自主性が非常に大切にされています。自ら考え、行動していくうえで自らの研究テーマについてはもちろん、実験科学の手法や科学に対する広い視野を養っていきます。当然ですが、我々スタッフ一同は、それを最大限に手助けし、有意義な学生生活と研究者としての誇りを持って欲しいと思っています。研究も楽しくやらないと成果が出にくく、自分にとってもプラスにはなりません。しっかり成果を出せば、国際学会での発表の機会も与えられます。ぜひ無機物質化学研究室で実りある研究生活を送りましょう!
 ホームページ上だけでは、なかなか雰囲気が伝わりにくいと思いますので、興味のある方はぜひ、研究室を覗きにきてください。

進学・就職状況

 学部・院卒で就職する人から博士課程に進学しアカデミックを目指す人まで様々です。研究室スタッフとしては、博士課程になるべく多く進学して欲しいと考えています。理学研究科から授業料の補助もありますし、日本学術振興会の特別研究員への採用状況も良好です。一度しかない人生です。企業への就職だけが選択肢ではありません。アカデミックの世界で自由に泳いで生きていきませんか?

 もちろん就職するのも自由です。就職活動に当たっては先輩方のサポートも受けられます。主な就職先としては・・・

パナソニック住友電工昭和電工旭硝子日本電気硝子日本板硝子ファイザー富士フイルム日本ガイシ旭化成みずほ銀行トヨタ自動車(順不同)など様々です。

 材料系の研究室ですので、就職先が多分野に渡っています。企業に行って優秀な研究者として活躍している人も多くいらっしゃいます。


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