研究概要

「有機−無機複合電子系における新奇な
電子・イオン・スピン量子相の創成」

21世紀になり、生体機能にみられるような柔軟性と多様性を持った新しい分子素子の出現がますます期待されている。その実現に向けての基本的な構想はいまだ模索の段階にあるが、我々は電子と水素(プロトン)の融合による革新的科学技術(プロトニクス)の確立が一つの突破口になるものと考えている。当研究室ではこの研究方針のもと、量子力学的な電子相(超伝導相、強磁性相、強誘電相、金属相、絶縁体相など)とイオン相(特にプロトンによる超イオン伝導相、トンネリング現象、量子常誘電相)の自在構築・制御を目指している。金属イオンの電子状態の多様性と有機配位子の多様な設計性をうまく組み合わせて、「特異な結晶構造・電子構造」をもつ新物質を創製し、「量子サイズ効果」、「非線形電気伝導」、「非線形光学効果」、「誘電応答」、「各種揺らぎ効果」に基づく新規機能性や物性の発現を目指し、「分子素子」や「プロトニクス」の実現に向けた基盤の確立を目標にしている。研究対象は、無機化合群を中心として、低次元強相関電子系、強い負U相互作用を有する混合原子価物質、電荷移動錯体、配位高分子、金属ナノ粒子、有機伝導体、水素吸蔵物質、超プロトン伝導体などである。