[論文の概要] 食用藍藻の Arthrospira platensis (製品名 スピルリナ)にはさまざまな株(品種)がありますが、どの株も外来のDNAを分解する制限酵素を多数持っており、外から細胞内に入れた DNAは細胞内で分解されてしまいます。そのため、DNAの導入を利用した品種改良や遺伝解析が、現在のところ、A. platensis では簡単にはできません。それを克服するためには、A. platensis が持っている制限酵素や、自己の DNA をメチル化して制限酵素による分解から守っている修飾酵素を分析し、それらの酵素がどのような塩基配列を標的にしているか調べることによって、外来の DNA が細胞内で分解されないようにする方策を立てるのがひとつの方法です。この論文は、そのために、A. platensis NIES-39 株が持っている制限修飾系(制限酵素と修飾酵素のセット)のひとつ Apl I について、どのような塩基配列を識別して DNA のどの部分を切断したり修飾したりしているかを詳細に調べたものです。。

Shiraishi, H. and Tabuse, Y., The Apl I restriction-modification system in an edible cyanobacterium, Arthrospira (Spirulina) platensis NIES-39, recognizes the nucleotide sequence 5’-CTGCAG-3’. Biosci. Biotechnol. Biochem., 77, 782-788 (2013).