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自己集合ポルフィリン多量体

分子が自己選択的に集合することで、新たな形状、特性を発現する超分子(supramolecules)の化学が現在盛んに研究されている。私達はメゾ-メゾ結合ポルフィリン多量体を単体とした自己集合体の形成にも取り組んでいる。

ピリジン-亜鉛間の配位結合を用いた、2量体×4のポルフィリンボックスは箱型を形成するときに互いのキラリティーを認識して集合するという特徴を持っている。内部に大きな空間を有していることから、新たなホスト・ゲスト化学への展開も期待される。こういった従来にはない構造のポルフィリン類縁体における基本物性や反応性などを明らかにしながら、新規機能性分子としての設計・組織化を計り、ポルフィリン類縁体の未知の世界を開拓していく。

T. Kamada, N. Aratani, T. Ikeda, N. Shibata, Y. Higuchi, A. Wakamiya, S. Yamaguchi, K. S. Kim, Z. S. Yoon, D. Kim, A. Osuka, J. Am. Chem. Soc., 2006, 128, 7670-7678.



トリアゾールー亜鉛間配位結合によるポルフィリン二量体形成を利用して、L型ポルフィリン三量体から自己集合により環状ポルフィリン12量体を得ることができた。このように、自己集合を利用すれば、巨大ポルフィリン多量体を一気にくみ上げることが可能であり、魅力的な構造体を設計できる。

C. Maeda, P. Kim, S. Cho, J. K. Park, J. M. Lim, D. Kim, J. Vura-Weis, M. R. Wasielewski, H. Shinokubo, A. Osuka, Chem. Eur. J., 2010, 127, 236-246.



環状ポルフィリン多量体

光合成細菌中に存在する環状構造をした光捕集アンテナの構造を模倣した、環状ポルフィリン多量体の合成にも成功した。フェニレンで架橋されたポルフィリンホイールは直径およそ7nmにもなる大環状化合物である。またポルフィリンのみで構成された一連のポルフィリンリングは、すべてのポルフィリンユニット間での強い励起子相互作用を実現し、自然界のアンテナで起こるエネルギー伝達速度に匹敵する超高速のエネルギー伝達を達成している。

T. Hori, N. Aratani, A. Takagi, T. Matsumoto, T. Kawai, M-C. Yoon, Z. S. Yoon, S. Cho, D. Kim, A. Osuka, Chem. Eur. J., 2006, 12, 1319-1327.



ベルト型共役環状ポルフィリン多量体


複数のベンゼン環がパラ位で環状に連結した化合物はシクロパラフェニレン(CPP)として知られ、歪んだπ共役化合物として高い注目を集めている。我々はCPPの全てもしくは一部のベンゼン環をポルフィリンに置き換えた化合物を合成し、紫外可視吸収スペクトルのサイズ依存性や分子内励起子移動の発現などの特異な性質を明らかにした。

H.-W. Jiang, T. Tanaka, H. Mori, K. H. Park, D. Kim, A. Osuka, J. Am. Chem. Soc., 2015, 137, 2219-2222.

H.-W. Jiang, T. Tanaka, T. Kim, Y. M. Sung, H. Mori, D. Kim, A. Osuka, Angew. Chem. Int. Ed., 2015, 54, 15197-15201.


最新review
“Discrete Cyclic Porphyrin Arrays as Artificial Light-Harvesting Antenna”
N. Aratani, D. Kim, A. Osuka, Acc. Chem. Res. 2009, 42, 1922-1934.