特別推進研究 高性能有機触媒の創製と精密有機合成化学への応用 SitemapEnglish
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  • 京都大学 大学院理学研究科 化学専攻 有機合成化学研究室
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研究内容【有機酸塩基触媒】

 マンニッヒ反応はβ-アミノカルボニル化合物を与える重要な炭素–炭素結合形成反応であり、近年は有機触媒による直截的不斉マンニッヒ型反応が数多く報告されている。触媒としてプロリンを用いた場合,触媒とアルデヒド,またはケトンから系中で生成するs-トランス配座のエナミン中間体が,触媒の酸性プロトンによって活性化されたイミンに求核付加し,シン体の生成物が高エナンチオ選択的に得られる。一方,アミノスルホンアミド触媒(S)-1を用いた反応では,s-シス配座のエナミン中間体を経て,アンチ体の生成物が高エナンチオ選択的に得られる。本反応は、反応速度が速く,エナミン中間体を経由する有機触媒としては極めて少ない触媒量(~0.2 mol%)でも反応が円滑に進行する。また、触媒が安定なため,回収再利用が可能である。

 触媒設計の新たなコンセプトを基に、六員環シス-ジアミン型二官能性有機触媒2及び3を開発した。六員環シス-ジアミン型二官能性有機触媒の特徴は、従来の有機触媒とは違い共通のキラル原料よりふたつの異なるキラル二官能性有機触媒2及び3が創製できるという点にある。これらふたつの二官能性有機触媒はそれぞれ不斉アルドール反応に用いると、アルドール生成物としての両方の光学異性体が高い立体選択性で得られる。このように従来の有機触媒をそれぞれの光学異性体を合成する場合、両方のキラル触媒を創製する必要があったが、この手法により光学異性体合成が格段に簡便になった。これはキラル有用化合物の効率的大量合成プロセスという観点からは大変実用的である。

 また、アントラセンから誘導したトランス-ジアミン型二官能性有機触媒4を開発し、これを用いた高エナンチオ選択的共役付加反応の開発にも成功している。