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公開シンポジウム
「蛋白質の基質結合や構造変化における分子揺らぎの意義を討論する会」

日時:2010年3月4,5日
場所:東北大学多元物質科学研究所事務棟2F大会議室(片平キャンパス)

シンポジウムの概要:
蛋白質は環境からの熱雑音にさらされ、その立体構造は大きく揺らいでいる。蛋白質は、この揺らぎを利用し立体構造を変化させるなどして、効率的に基質を認識していると考えられる。しかしながら、その分子機構はまだ十分に解明されていない。例えば、蛋白質への基質結合機構としてInduced fit model と Pre-existing model が提案されているが、実験技術や計算機シミュレーションの性能向上に伴い、これらのモデルでは蛋白質の基質結合機構、特に揺らぎの役割・制御を十分に説明できるわけではないことが明らかになってきた。そこで、この研究会では、蛋白質の基質認識過程に焦点を当て、蛋白質の揺らぎの性質、機能発現における揺らぎの制御、基質結合に伴う立体構造変化などについて、実験家と理論家が集い、最新動向の情報共有と議論・意見交換を行うことを目的とする。
オーガナイザー:
鎌形清人(東北大学・多元物質科学研究所・助教)
渕上壮太郎(横浜市立大学・助教)
高橋聡(東北大学・多元物質科学研究所・教授、新学術領域公募研究代表者)
芳坂貴弘(北陸先端科学技術大学院大学・教授、新学術領域計画研究代表者)

プログラム

2010年3月4日(木)
座長:鎌形清人(東北大・多元研・助教)
14:00〜14:10  開会の挨拶
芳坂貴弘(北陸先端大・マテリアルサイエンス・教授)
問題提起
鎌形清人(東北大・多元研・助教)、渕上壮太郎(横浜市大・助教)
「蛋白質の基質結合や構造変化における分子揺らぎの意義とは?」
14:10〜14:50 芳坂貴弘(北陸先端大・マテリアルサイエンス・教授)
「非天然アミノ酸の二重導入によるタンパク質構造変化のFRET解析」
14:50〜15:30 古田忠臣(理研・研究員) 「リガンド結合タンパク質構造変化の分子動力学シミュレーション」
15:30〜15:45 休憩
座長:渕上壮太郎(横浜市大・助教)
15:45〜16:25 山森明弘(東北大・多元研・院生)
「蛋白質一分子基質結合ダイナミクスの観察」
16:25〜17:05 近藤寛子(東大・新領域・院生)
「分子動力学シミュレーションによるタンパク質構造変化の解析」
17:05〜17:45 五十嵐圭日子(東大・農学生命科学・准教授)
「糖質加水分解酵素においてプロセッブ反応が起こるメカニズムと分子移動の関係」
2010年3月5日(金)
座長:鎌形清人(東北大・多元研・助教)、渕上壮太郎(横浜市大・助教)
9:20〜10:00 鎌形清人(東北大・多元研・助教)
「キャピラリー内トラップによる蛋白質一分子ダイナミクスの長時間観察」
10:00〜10:40 渕上壮太郎(横浜市大・助教)
「分子動力学シミュレーションによるタンパク質平衡揺らぎの解析」
10:40〜10:50 休憩
10:50〜11:30 楯真一(広大・理学・教授)
「NMRによる蛋白質の構造揺らぎと機能制御相関の観測」
11:30〜11:50 総合討論「蛋白質の基質結合や構造変化における分子揺らぎの意義とは?」
司会 高橋聡(東北大・多元研・教授)、鎌形清人(東北大・多元研・助教)