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霊長類研究所見学

今年の研究室旅行は、愛知県犬山市にある京都大学霊長類研究所に行きました。

8:30、京都出発。11:10、犬山駅前で昼食。12:10、霊長類研究所到着。見学は13時からお願いしてあったのですが、遅れてはいけないので早め早めに行動した結果、随分早く到着。駐車場横の飼育ケージの中にサル(当然のことながら動物園ではないので名札があるわけではない)を発見して、皆、興味津々。しばらくすると、たまたま前所長の松沢哲郎先生が通りかかって、お声をかける。実は今日は松沢先生の講演を聴かせて頂くことになっている。松沢先生は昼食前だったのではないかと思うが、それでは始めましょうかと言って下さって、講演が始まる。我々の中に日本語をあまり解さないメンバーがいることに気づかれて、すぐに英語に切り替えてくださる。霊長類学がどういう学問で、何を目的としているのか、明解で説得力のあるお話をしてくださる。いつもは日本語の講演でも眠くなるらしい××君も興味深そうに聞き入っている。

講演の後、松沢先生に案内していただいて見学。研究所の4階から外へでる回廊です。
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目の前には高さ10数メートルの鉄と木でできた巨大構造物。チンパンジーが2人写っています。下の人がアユム君だったような気がします。松沢先生は完全に個人認識ができていて、あれは○○、こちらは▽▽と教えてくれるのですが、我々は初対面なので、、、
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ややアップに。
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こちらはチンパンジーの居住エリアから直接入ってこられるスペース。松沢先生の前にある四角い箱(ポリカーボネートでしょうか)は、戸外側に扉があって、それを開けるとチンパンジーが自由に入れます。中にはパソコンがあって、チンパンジーは自分の意志でパソコンに向かって作業します。作業すると小さなエサ(BB 弾くらいの大きさで、食べてみるとほのかにバナナの味がしました)が一つづつ貰えます。全自動。
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作業を終えてふと振り返ると、ヒトが覗いていたりします。
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振り返ると、一斉にスマホを持った手が伸びてきたりもします。
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お騒がせしました。
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さて、その後、さらに研究所の展示スペースを見学(写真がない)。霊長類研究所の(というよりも霊長類学の)歴史についてのお話のなかで、今西錦司の名前が出てきたのですが、松沢先生がふと「今西錦司の名前を知ってる人、手を挙げて」と問われると、なんと手を挙げたのは50代教員1名のみ。学生が誰一人として今西錦司を知らなくて松沢先生も50代教員も大変ショックの様子でした。ちなみに西堀栄三郎についても学生全滅。(君たちには東近江市の「西堀熒三郎記念 探検の殿堂」をお薦めします。)アインシュタインと西堀の話などなど。

さらに講義室に戻って、松沢先生らが進めている「緑の回廊」計画のお話を伺う。地道で壮大なお話。エアコン完備の実験室での実験が多少ツラクても、これに比べたらどんなにラクなものか、という感想も。

予定の時間を超過しての興味深いお話と見学で、参加者一同、非常に大きな刺激を受けました。松沢先生に心より感謝致します。
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霊長類研究所を後にして、少し寄り道。
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約1名を除いて皆がカメラを向けているのは犬山城。コンクリートも鉄骨も使っていない天守閣です。国宝。
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天守閣最上層からは霊長類研究所も見えました(中央奥)。
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