生体分子の反応と構造及び揺らぎのダイナミクス

 生体機能分子であるタンパク質を研究対象として, 刺激受容後にタンパク質分子全体で起きる構造変化過程や標的分子との分子間反応過程, あるいは折れ畳み (フォールディング) 過程などを時間分解で捉えることを目指して研究している。
従来の測定手法では捉えることのできなかったこれらの過程を高感度で捉えるために, 過渡回折格子法 (TG法)を主な研究手法として用い、主にマイクロ秒以降の時間領域で起きる分子体積や分子拡散過程の変化を調べている。さらに, TG法とその他各種のレーザー分光法 (過渡吸収法, 過渡レンズ法, 光音響法など) を組み合わせて, これまでに提唱されてきた反応過程に対して, 新しい過渡種や反応経路を見出して検証する。
また最近では, 蛋白質反応に重要とされる「構造揺らぎ」を時間分解で検出するための新しい測定法の開発や, 緩衝液中で明らかにした構造や反応のダイナミクスが生理的条件下ではどうなるのか, すなわち「Crowding環境下」における測定への発展を目指した研究を行っている。

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顕微光学と分光学を駆使した光合成膜の研究

 温室効果ガスによる地球温暖化やエネルギー不足の問題など, 現在人類が直面する多くの課題を解決する可能性を秘めているのが植物や藻類が行っている天然光合成の利用である。
 入力と出力, そして含まれた物質の種類や構造がわかれば分かったような気がするのは光合成においては禁物であり、人類はその仕組みの真の理解に到達しているわけではない。我々は、葉緑体やシアノバクテリアに含まれる光合成膜(チラコイド膜)の微細構造の変化と微細構造ごとの光化学特性の理解に到達するために, 独自のレーザー顕微分光システムの開発を行い, 実際の光合成生物に適用して, これまで知られてこなかった光合成膜の性質を明らかにしつつある。

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装置の紹介

本研究室が所有している装置を簡単に紹介します。

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