|
setup diary |
電気抵抗を測定するシステムが不安定になっていたので、システムの更新を計画している。そのシステムは、限られた用途にしか使わないので、1ミリオーム程度から1オーム程度まで測定できれば良い。これまでは、GPIBで電源とデジボルを制御して測定していたが、抵抗の値が限定されるのであれば、安価なICを組み合わせれば、ほぼ同等のシステムを構築できるのでは無いかと考えられる。
そこで、計装アンプとADコンバーターとarduino UNOを使って、抵抗測定システムを作ることにした。仕様としては、白金抵抗温度計以外に4つの試料を同時に測定できるようにした。arduinoのピンから供給する0Vと5Vを使って、抵抗と直列に繋いだ試料に電流を流す。電流は標準抵抗にかかっている電圧から求め、それと試料にかかっている電圧から、抵抗が計算できる。熱起電力を打ち消すためには、arduinoのピンの電圧を反転させれば良い。
ADコンバーターとしては、MCP3425を用いた。このICは、プラスマイナスの電圧をそれぞれ15bitで読み取ることが出来、2/4/8倍のアンプも内蔵しているので、ダイナミックレンジは18bitと言える。温度計を測るには十分であるが、試料には5mA程度の電流を流すことにすると、電圧が小さすぎるので、計測アンプで増幅する必要がある。計装アンプはLT1167を使って200倍程度の増幅することにした。
最終的には、MCP3425を10個とLT1167を4個使って、arduinoで4つの試料を同時に測定できるシステムが完成した。測定時間も片側0.5秒ぐらいで測定しても、ノイズはそれほど大きくなかったので、1秒程度で測定ができる。まだ、試運転の段階で、本格稼働はしていないが、予定程度の性能を持つシステムができた気がする。